日本には、春夏秋冬の四季だけではなく、二十四の節気と、 七十二もの候という季節があります。
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季節に寄り添って
おうみさんぽ
In Kyoto
Nostalgic Japan
第1候 立春初候
『 東風凍を解く』(はるかぜこおりをとく) 新暦ではおおよそ 2月4日〜2月8日ごろ
暖かい春風が吹いて、川や湖の氷が溶け出すころ。
旧暦の七十二候では、この季節から新年がはじまります。
立春のこの時期にふさわしい唱歌『早春賦』で
「春は名のみの風の寒さや」
と歌われるように、まだまだ寒い日がつづきます。
東風(こち)とは、春風のこと。
東風が ” 氷を散らす ”風 から”こち”になったとか。
春になって冬の気圧配置がくずれると、
太平洋上から大陸へ向かって、柔らかく弱い東風または
北東風が吹き、雨を伴うことが多く徐々に寒気が
緩んできます。
東風にかわると、古来人々は風を敏感に感じ取り、
春の準備をはじめてきました。
春の魚と書いて、鰆(さわら)春になると産卵のため
瀬戸内海へ押し寄せてきます。
この時期、瀬戸内の漁師さんたちは、
東風を鰆東風(さわらごち)と呼んで、
さわら漁をはじめる目安としていました。
『東風吹かば、匂いおこせよ、梅の花、あるじ無しとて、春を忘るな』
菅原道真
『拾遺和歌集』
春を告げる風、凍てを解く風、梅花を開かせる風として詩歌にも多く詠まれています。
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* 主な参考文献 講談社 『日本大歳時記』 東邦出版 白井明大 著『日本の七十二候を楽しむ』